NPO法人 オホーツク自然・文化ネットワーク

設立趣旨

 日本列島の北端に位置するオホーツク海沿岸の地域には、「北の大地」の優れた自然や歴史遺産の素材が溢れています。沿岸を特徴づける潟湖(汽水湖)とアッケシソウなどが生育する塩性湿地の景観、1億年前から現在までの北海道とオホーツク海の形成を示す化石や火山活動により形作られた多様な地層の分布、台地や砂丘上に残された北海道独自の先史文化である続縄文文化からオホーツク文化、擦文文化へ繋がる竪穴集落群の分布と景観などは、貴重な地域資源です。 しかしながら、その基盤となる自然環境の生い立ちや、考古学・歴史学的視野での文化の成り立ちなど、解明されていない分野が多く、オホーツク地域における全体的な自然史や文化のプロフィールが明らかになっておりません。

 現在、オホーツク地域にはいくつかの博物館や調査研究機関があり、それぞれが管轄する枠内での自然や歴史・文化などを調査研究し、その成果を公開しています。一方で、地域資源を発掘し、自然や文化の特色を打ち出すのに苦慮している地域もあります。このような地域間の格差を解消するためには、地域の枠を超えた広域にわたる調査・活動が必要です。そのことにより、オホーツク地域の全体像が把握でき、自分たちの住む地域の魅力を発信することが容易になるものと思います。

 このように広域連携の現状を変えていくために、当NPOオホーツク自然・文化ネットワークは、地域間を繋ぐ媒体として、趣旨に賛同した人々がオホーツク地域にある優れた自然環境や歴史遺産を調査できるような環境を整え、得られたデータを集積し、さらには、それらの集積されたデータをオホーツク地域全体で共有化する仕組みを構築していきます。加えてそのデータを利用し、観光、教育などにも活用してもらえるような支援および普及活動を行い、地域創生に貢献していくことが当NPOの目指すところであり、設立の目的であります。

 地域を活性化したいという想いのある多くの協力者が地域間の垣根なく参加できるような組織作りを行うことで、将来的にはオホーツク地域全体がより一層輝きを増すよう貢献できるものと考えています。

     特定非営利活動法人 オホーツク自然・文化ネットワーク

         設立代表者(理事長)   進  基

天然記念物 カラフトルリシジミ