古環境変遷解析~花粉分析2

古環境変遷解析~花粉分析2

前回紹介したKOH処理後、水洗して上水液が綺麗になるまでを捨て、水分をなるべく切った状態でZnCL₂で比重分離処理(比重1.8)をします。その後、良く攪拌した状態で遠心分離器にかけ、上に浮いた花粉を集め水洗し、花粉のみを集めます。水を良く切りアセトリシス溶液(H₂SO₄+‎C₄H₆O₃)を加え、湯煎し余分な異物を除去し、再度遠心分離器にかけ濃縮します。水洗を繰り返したのち水を良く切り、グリセリンゼリーと花粉を混ぜプレパラートを作ります。

このようにしてできたプレパラートに封入されている花粉化石を検鏡し層準ごと、植物ごとにダイヤグラムを作り花粉の種類の消長を考察します。このようにしてできたダイヤグラムから、寒冷地に多いマツの仲間や温かい地域に多い広葉樹の仲間ミズナラやニレ、カバノキ類などの消長から、温暖期あるいは寒冷期かを決め、その地域の気候変動(植生変遷)を考察します。

花粉が封入されているプレパラート
顕微鏡で検鏡し花粉の消長を調べます
トウヒ属(アカエゾマツなど)の花粉
コナラ亜属(ミズナラなど)の花粉
ヤマモモ属(ヤチヤナギなど)の花粉
セリ科の花粉

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