北海道知床の西側玄関口に位置する斜里町ウトロに、海に突き出た岬状地形の海岸段丘頂部平坦面に形成された竪穴住居跡群「チャシコツ岬上遺跡」があります。昨年(2019年)2月に国の史跡として指定されました。標高55mという高さにもまして、三方を海に囲まれているという特異な立地環境を持つ遺跡です。歴史の授業や教科書には出てこないオホーツク地域を代表するオホーツク文化期の遺跡の一つです。一部発掘調査され、炭素同位体年代測定や出土遺物からおおよそ8~9世紀に利用されたことが判明、オホーツク文化期の中でも終末期に位置付けられています。